~中干しの開始は「田植え1カ月後」を目安に~
【中干しの目的】
- 乾かすことで土中に酸素が入り根腐れを防ぎ、根の活力を高め根張りを良くします。
- 土中に溜まっている有害なガスを抜くことができます。
- 土を乾かすことで窒素の吸収を抑え、余計な分けつを抑制します。
→過剰な分けつは穂数過多による未熟粒の発生が多くなり、また下葉枯れによる倒伏を発生させる原因になります。
- 土を乾かすことで田面を固くし、コンバイン等の作業性を高めます。
◎そこで、中干しは必ず行いましょう!
【中干しのポイント】
- 開始時期のめやす(自然減水を利用して始めましょう)
㎡当たりの目標穂数を380~400本として
- 70株/坪植え → 14~15本/株
- 60株/坪植え → 17~18本/株
- 50株/坪植え → 20~21本/株
中干しの期間は1週間から10日間ぐらいが適切で、以後は間断かんがいにもどします。
常に注意することはたん水状態にならないように、水尻に水が届いたら止水することです。
過度の中干しは、根を傷めたり、田の水保ちが悪くなる原因となります。
大きなひび割れが入らない程度にしましょう。また、中干しをする際に溝切りを行っておくと、その後の水管理がしやすくなります。
~雑草の取りこぼし対策には 中・後期剤~
- オモダカ・ホタルイ・クログワイ・コナギは近年問題となっている難防除雑草です。発生が多いほ場では、初期剤+初中期一発剤の体系処理が基本ですが、取りこぼした雑草は中・後期剤等での早目の処理で対応しましょう。
- 雑草は丈が短くても葉齢が進んでいますので、ほ場の状態を確認して散布適期を逃さないようにしましょう。
- 除草剤によって散布可能な時期が異なりますので使用時期は、必ず順守してください。収穫の早いみずかがみやコシヒカリは特に注意が必要です。
【主な中・後期剤】
※移植水稲を前提にしています。直播の場合はご注意ください。
使用薬剤名 | 適用雑草 | 成分 | 使用時期 | 注意点 |
クリンチャー1kg粒剤 | ヒエ | 1 |
移植後25日~ ノビエ5葉期 (1.5kg散布) ※収穫30日前まで |
広葉雑草には効果がないので、広葉雑草が混在するほ場では、それらに有効な除草剤と組み合わせて使用しましょう。 |
クリンチャーEW | 1 |
移植後20日~ ノビエ6葉期まで ※収穫30日前まで |
広葉雑草には効果がないので、広葉雑草が混在するほ場では、それらに有効な除草剤と組み合わせて使用し、落水処理状態で散布しましょう。 | |
バサグラン粒剤 |
オモダカ クログワイ ホタルイ 他多年生雑草 |
1 |
移植後15日~ 55日まで ※収穫60日前まで |
落水状態(又はごく浅く湛水状態)で散布し、少なくとも3日間はそのままとする。処理後2日以内の降雨は効果が不十分になるおそれがあるので、晴天の持続する時を選び散布しましょう。ノビエには効果はありません。散布後7日間は降雨の有無に関わらず落水しない。 |
バサグラン液剤 | 1 |
移植後15日~ 50日まで ※収穫50日前まで |
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クリンチャーバスME液剤 |
ヒエ オモダカ クログワイ ホタルイ 他多年生雑草 |
2 |
移植後15日~ ノビエ5葉期まで ※収穫50日前まで |
落水状態で散布し、少なくとも3日間はそのままとする。処理後2日以内の降雨は効果が不十分になるおそれがあるので、晴天の持続する時を選びましょう。 |
ワイドアタックSC | 1 |
移植後20日~ ノビエ6葉期まで ※収穫30日前まで |
落水状態で散布し、少なくとも2日間はそのままとする。ノビエ6葉期まで有効で広範な水田雑草を防除できる。オモダカ、クログワイなど難防除雑草にも効果を示します。 | |
ニトウリュウ1キロ粒剤 | 2 |
移植後15日~ ノビエ4葉期まで ※収穫60日前まで |
湛水状態で散布し、少なくとも3日間はそのままとする。 |