令和元年(2019年)7月18日
滋賀県病害虫防除所
斑点米カメムシ類を適期に防除しましょう
7月上旬実施の畦畔における斑点米カメムシ類のすくい取り調査において、山間部など一部地域でホソハリカメムシやクモヘリカメムシ等の大型カメムシが多発しており、クモヘリカメムシの平均生息数は4.3頭(平年1.1頭)と過去10年で最も多くなりました。
今後、イネが出穂すると畦畔・雑草地から水田内に侵入し、加害することが懸念されます。適期に防除を実施し、被害を防ぎましょう。
斑点米カメムシ類に対し、出穂期以降の薬剤による防除適期は次のとおりです。
- 出穂期に大型斑点米カメムシ類(ホソハリカメムシ、クモヘリカメムシ、トゲシラホシカメムシ)が確認できるほ場では、糊熟期頃(出穂10~20日後)に防除する。
- ただし、畦畔や雑草地にカスミカメムシ類(アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ)の発生が多い場合は、乳熟期頃(出穂7~10日後)に防除する。
斑点米カメムシ類の防除適期を逃さないことに加え、農薬使用における収穫前日数に注意して下さい。
穂いもちに要注意!
水稲早生品種(コシヒカリ、みずかがみ、キヌヒカリ等)は、まもなく出穂期を迎えますが、向こう1か月の気象予報では、降水量は県北部では平年並または多く、県南部では多く、日照時間は平年並みまたは少ない見込みで、穂いもちに感染しやすい気象条件が予想されるため、注意が必要です。
7月16日~17日の巡回調査結果では、葉いもちの発病度は平年値に比べ「やや少」ですが、県内全域において発病が認められました。葉いもちは、穂いもちの伝染源となります。ほ場を確認して葉いもちの発生状況を把握するとともに、下記の注意事項に基づき、必要に応じて防除を実施してください。今後、病害虫防除所が発表する情報に十分に注意しましょう。
防除上注意すべき事項
- 「コシヒカリ」「キヌヒカリ」「秋の詩」「滋賀羽二重糯」は、発病しやすいので特に注意する。
- 薬剤の使用にあたっては、県農作物病害虫雑草基準を参照し、収穫前日数に十分注意する。
- 粉剤や液剤で防除する場合は、防除適期を逃すと著しく効果が低下するので、必ず穂ばらみ期~出穂期に防除する。
- 薬剤耐性菌を生じやすいので、同一グループ薬剤の連用を避ける。